連載 VOCE特別インタビュー

【夏木マリ】私は、“今派”。未来にビジョンは持たない【書籍『わたしたちが27歳だったころ』発売記念連載vol.1】

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夢を諦めずに行動していれば、いつかかけがえのないものに出会えるはず

もう一つ変わらないのは、“今派”ってこと。好きと思ったら動いて、ダメだったら捨てていく。あーだこーだ考えない。私の人生に理屈はないんです(笑)。動物的なカンで動いて、その都度学べばいいと思う。人間、本気で動きさえすれば、それを見た人が声をかけてくれたりするんです。新しい仕事をやっていると、観てくださった方に仕事の話をいただいたり。一度は音楽を諦めた私が、30年後にはブルースバンドを作ることができたわけで。いくつになっても、夢は諦めない方がいいと思います。

結婚? それだけは全然興味がなかったですね。59歳で結婚しましたが、そのときも、「こんなこと起こるのね」と(笑)。恋愛はそれなりにしてきたと思うけど、私のようなタイプは日本ではモテないから、自分から行くしかない。断られたら、次って感じで。「ヤダ」って人を自分に向かせることにエネルギーを使うより、次に行った方がいいじゃない? 相手の心を無理矢理自分に向けようとしても、お互いハッピーじゃないし。

男を見る目がないなと思ったこともありますよ(笑)。でも、またおんなじような人に惹かれるんです。若い頃って懲りないから。今のパートナーとは、とにかく自然でいられることがよかった。若い頃、結婚した人に、「なんで結婚したの?」って聞くと、「何も考えないでいられる」とか言われて、「そんなのありえない」と思ってたら自分もそうだった(笑)。ソウルメイトみたいな人っているんだと、遅まきながら知りました。

夏木マリ「わたし」の生き方

当時の私は、“今派”。
失敗はすぐ忘れ、未来にもビジョンは持たない。
今を楽しめている自分を、納得できればそれでいい。

Information

悩んで、迷って、「わたし」になった 25人からのエール
『わたしたちが27歳だったころ』

悩んで、迷って、「わたし」になった 25人からのエール
『わたしたちが27歳だったころ』

仕事、結婚、出産……人生は選択の連続。
そして、幸せの定義だって、1つじゃない。
さまざまな分野で活躍する先輩方は、27歳だった頃、何に悩み、どんな生き方を選択し、今何を思うのかーー。
人それぞれ生き方があり、悩むタイミングもやり方も1人1人違う。
でも、誰もが悩み、もがいて、走ってきたからこそ、今がある。
俳優、映画作家、脚本家、宇宙飛行士、映画字幕翻訳者、ドラマプロデューサー、など時代をつくり、活躍する女性たちが語る「わたし」ヒストリー。

4月20日(水)搬入発売
講談社刊 1540円(税込)
ISBN 978-4-06-527999-1

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『with』2022年1月号掲載 撮影/Hiro Kimura ヘア/TAKU(VOW-VOW)メイク/SADA ITO(Donna) スタイリスト/秋島亜未 取材・文/菊地陽子

Edited by VOCE編集部

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