本連載では、登場してくださる方のビジネス面だけではなく、パーソナルな魅力についても深掘りします! その方のお気に入りや縁の深い場所に三好がお邪魔して、ギリッギリのぶっちゃけトークで魅力をトコトン探り、他では読めないレアエピソードをお届けする所存!
そんな記念すべき連載第一回に登場してくれたのは、“イケメン”と美容業界でも噂のオルビスの小林琢磨社長です。小林社長行きつけのお寿司屋さんで展開されるぶっちゃけトークとは……?
オルビス株式会社
代表取締役社長
小林琢磨さん
2002年(株)ポーラ入社。2010年ポーラグループの社内ベンチャーで立ち上げた、(株)ディセンシア社長に就任。その大成功を経て、2017年オルビス(株)マーケティング担当取締役、2018年には同社の代表取締役社長に就任。現在はポーラ・オルビスホールディングス上席執行役員を兼務している。早稲田大学大学院MBA
三好さやか
VOCEウエブサイト編集長。コスメや美容家電を実際に見て、試して、研究した熱量の高い記事&SNSに熱烈なファンを持つ美容アディクト。お酒好きが高じてワインエキスパートを取得したり、占いへの興味から玄人はだしの占い技術を持つなど、超多忙なのに多趣味というアクティブ人間!(@voce_miyoshi)
“手を挙げ続けたこと”で
ここまで来れたと思っています
三好さやか(以下、三好)「小林社長! 今回はご登場、ありがとうございます」
小林琢磨さん(以下、小林)「こちらこそ、映えある第1回に登場できるなんて、光栄です! しかし、何を聞かれるのかちょっと怖いですね(笑)」
三好「小林社長はざっくばらんなお人柄で有名なので、かなりぶっちゃけていただけるのでは? と今日は楽しみにして参りました(笑)。さて、まず伺いたいのは、小林社長の輝かしい経歴から。小林社長は、当時31歳という若さで社長に就任したワケですが、その成功の秘訣は?」
小林「いやいや、成功っていうのは大げさかも。当時のディセンシアは社内ベンチャーで、社員もたったの4人からスタートしたんです。ただ、ひとつだけ言えるのは“手を挙げたこと”でしょうね。会社って、みんなだいたい同じランクの大学を出て、それなりに就職戦線に勝ち抜いてきた人たちの集まり。はっきり言って、能力に大きな差なんてないんです。その中で、『自分はこれをやりたい』、『これができる』と手を挙げること。それをするか否かがポイントなんじゃないかと」
三好「確かに日本の一般的な会社って、周囲と違うことをしようとすると『目立とうとしちゃって』なんて、冷ややかな視線を浴びることはありますもんね」
小林「そもそも、最初の2年間は本当に大変だったんです。社長と言うと、華やかな生活を想像される方も多いのですが、実情は地獄でしたよ。1年365日中、361日くらい出社していましたし、家に帰る暇もなくて会社に寝袋を持ち込んでそこで寝起きする日々。社内ベンチャーということは、会社からお金を出してもらってる状態なわけじゃないですか。だから早く結果を出さねばと必死でしたね」
三好「それはハード……! 小林社長は入社当時から、バリバリ働く熱血社員だったんですか?」
小林「熱血だったかどうかは自分ではわかりませんが(笑)、化粧品メーカーのいわゆる本流にはあまり執着がないタイプでした。僕が配属希望したのは、ホテルアメニティの営業をする部署。化粧品のキラキラした世界を夢見て入社する人からは、敬遠されることもある部署で自分から「行きたい」という奴は誰もいなかったので驚かれました。でも、僕にとってはその部署がとても魅力的に見えたんですよね」
三好「どんな部分が?」
小林「自分のやり方次第で1番になれるとところですかね。1日は誰でも24時間しかない。その中でどうやったら効率よく売上を上げられるのか? を考えて、周りが外資の高級ホテルへの参入を狙う中で僕が狙いを定めたのは、例えばラクーアさんや大江戸温泉さんのような大型温浴・スパ施設やファッションホテル。なぜなら、普通のホテルなら浴室は1日に1回しか使われませんよね。だけど大型温浴・スパ施設であれば1日にシャワーが何回も使われるし、ファッションホテルもまた、1日で浴室が3回、4回と使われます。つまり、消費量が段違いなため、その分売り上げも3倍、4倍になる。ただ、その分シビアな業界なので、参入するためにオーナーさんと一緒にサービス向上のアイデアを必死で考えたりしましたよ。例えばファッションホテルでは、『スピーカーをBOSEにして、プレステを置いたらどうだろう?』なんて、化粧品とは全く関係のない部分までオーナーさんと一緒に知恵を絞ったり。大変だったけど、そうやってオーナーさんの立場にたってものを考えたことは、今の仕事にも活きています。なにひとつ、無駄じゃなかった」
実はかなりの人見知りだし、
プレッシャーも感じてます
三好「お酒もそこそこ進んだことですし、ちょっぴりぶっちゃけトークを。お仕事ではディセンシア、オルビスと社長を歴任し順風満帆ですが、プライベートはいかがですか? 独身で社長。交友関係も華やかだし、いつも明るくて楽しそう。編集部内では「小林社長モテモテパリピ説」が流れているんですよ!」
小林「光栄だけど、実際はそんなこと全然ないですよ。社長でモテてるのって、30代前半の起業家さんか、僕よりもっと上の世代。40代にもなると、大人であることを求められるから、浮かれてもられないし。そもそも僕、実は人見知りなんですよね」
三好「それは意外!」
小林「ただ仮にも化粧品ブランドの社長が引っ込み思案というのもイメージを壊してしまうかな? と思い普段はかなり頑張っています」
三好「初めてお会いしたときから、いつもにこやかだし気さくだし。全くわかりませんでした」
小林「初対面の人との名刺交換なんて本当に苦手。でも立場上そんなことは言えないので、常に『笑顔で、目を見て、名刺交換』を自分に徹底しています。そうしているうちに、周囲から人見知りだとは気づかれなくなりましたね」
三好「でもその気持ち、わかります。私も“編集長”として登場する以上、SNSやインスタライブなどでは常にポジティブさだったり、ハッピー感をお届けできるように心がけていますし。ちなみに若きトップとして活躍されてますが、プレッシャーにも弱かったりして……?」
小林「実はそうなんです! 考えるとますますプレッシャーになるので、自分ではなるべく気にしないようにしているのですが。でも、ディセンシアの社長になったときも、オルビスの社長になったときも、なぜかどちらもギックリ腰になってしまって。ギックリ腰になったのは、後にも先にもこの2回だけなので、プレッシャーが体に出たのかなと(笑)」
三好「小林さんが今度ギックリ腰になったら、『ああ、何かプレッシャーを感じることがあったのかな』と思うようにします(笑)」
目指すのは、ナンバー1ではなく
化粧品の多様性を守っていくこと
三好「現在はプレッシャーを克服してオルビスの社長として活躍されていますが、今後についてはどんな野望を胸に秘めてますか?」
小林「実は野望は全然ないんですよ。営業をやっていた頃には『一番になってやる!』という野望があったんですけどね。今、本当にやりたいのは、化粧品の多様性を広げていくこと。もともとオルビスっていうのは、化粧品業界の異端児だったんです。例えば創業の1987年当時から、業界がオイルリッチなアンチエイジング製品に注目する中で、オイルカットのアイテムを出しちゃうとか、百貨店で売られている豪華なパッケージのアイテムとは真逆なシンプルなビニール袋に入れて売っちゃうとかね。そういったオルビスならではのスピリットをなくさずにいきたいなと思ってます。どっちが正解かを明確にするのではなく、“選べる”ということが大事。つまり、化粧品の多様性ですね。これは僕個人の課題でもあります、変化のスピードが早い世の中にあっても常に多様性に順応できるような、頭と心の“幅”を持っていたいですね」
三好「それはVOCEの記事づくりでもひしひしと感じています。例えば、美容のプロだけでなく、SNSの美容垢で人気の方が注目するアイテムも紹介するとか。リアルと多様性は意識しないと、読者の方が求めるものは作れないから」
小林「美容業界がますます元気になれるよう、お互い、がんばりましょう!」
FROMさーやの一問一答!
Q. 休日は何をしてますか?
A.キックボクシングか美味しいものを食べる。キックボクシングは週に1〜2回行ってますが、とにかくハードでトレーニング中は何も考えらえないほど。たとえ休みでもつい仕事のことを考えちゃうので、無になれる時間は貴重なんです。美味しいものを食べるのも好きで、今回お邪魔した鮨 りんださんは、いいことがあった時のご褒美に訪れています
Q.忘れられない仕事の失敗は?
A.たっくさんありますが(笑)。オルビスの社長に就任してからの1番のミスは、グループ会社の社長が一堂に介する会議の時間を間違えて、大遅刻をかましたこと。スタート時間に別のアポを入れてしまっていて、1時間近く遅れてしまいました。失敗に気づいた時は「身内がなくなったことに……?」、「インフルエンザ……?」などさまざまな言い訳が頭を駆け巡りましたが、結局正直に話して謝罪して回りました。
Q.健康の秘訣は?
A.睡眠とお風呂。仕事やら会食やらで毎日帰宅は深夜2時ごろなのですが、そこから40分くらい湯船につかってリセット。睡眠は5時間は必ずとります。社長というと朝活してるイメージや超ショートスリーパーなイメージがあると思うのですが、僕に合わない。根っからの夜型だし、寝ないと無理なので、今のサイクルがちょうどいい。
社長の溺愛アイテム
その名も“とろぱしゃ”化粧水。ベタつくことなく肌を潤いで満たす設計は、女性の肌はもちろん、メンズの肌にも! 「肌を最適な状態にセルフコントロールする設計で、カサつき、オイリーが共存する僕の肌をきちっと潤してくれる自信作です」(小林さん)
取材を終えて……
かなりのぶっちゃけトークで、取材は大盛り上がり! 小林社長の気さくなお人柄のおかげで、楽しい取材でした。グルメな彼らしく、お寿司もすべて絶品。「ダイエットなんてどうでもいい!」と思えるレベルの高さに感動しました。
今回お邪魔したのは……
鮨 りんだ
食通の小林社長のお気に入り、不動前にある人気寿司店。蒸しかまどで仕上げたふっくら、つやつやのシャリと瀬戸内海をメインに全国から取り寄せた新鮮な魚介を使った寿司はまさに絶品。常連客が皆、最後に頼む愛媛県宇和島のみかんジュースも小林社長曰く「絶対に飲んで欲しい名品」とのこと。
小林社長のお気に入りメニュー
いかうに(コースの中の1品)
新鮮でプリプリのいかとクリーミィで濃厚な味わいのウニのハーモニーが絶妙!
あばれる君に激似の職人さんもいます。
住所:東京都目黒区下目黒2-24-12イメージスタジオ109 1F
TEL:03-6420-3343
営業:18:00~23:00
休:日曜、月曜日
要予約
コース¥21000(税・サービス料込)
http://rinda-tokyo.com
撮影/金栄珠 取材・文/中川知春
Edited by 三好 さやか
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