美容ジャーナリスト・齋藤薫さん
美容ジャーナリストの先駆者的存在。製品の特徴を的確にとらえた美容記事から、生活や精神のあり方まで含めた、まったく新しい美容論で多くの女性を魅了。商品開発のアドバイザーや講演会、広告など多方面で活躍中。
■メイク部門・グランプリ
ユニーク形状の陰に隠れた王道モノが遂に本気になった!
この数年、ファンデは既成のカテゴリーにはまったく収まらない独創的な形状そのものを競っていて、逆に気になり始めたのが「ところで王道のパウダータイプってどうなってるの?」ということ。そこへ満を持しての新回答として登場したのがランコムの次世代パウダリーだった。ひょっとするとパウダリーはこれ以上進化しないのかもと誰もが思っている中、なるほどの進化を見せてくれたのだ。
光技術は10年も前から語られてきたが、これはいわば光の錬金術。肌を照らす光の全てを最大限に増幅し、肌が一番きれいに見える色の光へと昇華させるのだから。つまり発光しているかのような極上の艶肌に仕上げる訳で、「粉っぽくない」どころか、みずみずしくさえある艶感が溢れ出る。ともかく今は百パーセント仕上がり至上主義。市場全体を見ても、形状よりブラシやスポンジへのこだわりが目立ち、仕上がり美への欲望がさらに高まったのを印象づけた。
ランコム タンミラク コンパクト
¥6900(レフィル¥5300) 全7色 SPF20•PA+++
(378点/ 500 点)
■スキンケア部門・グランプリ
基本ケアが基本ケアの枠を超えいきなり老化への超絶技巧?
今期はなぜか〝伝説的名品〞を下敷きにした進化コスメの発表が目立ったが、その象徴こそ、今回のグランプリ。ロングセラー美容液の金字塔「モイスチュアリポソーム」の化粧水版とも言うべき一品だ。すでに噂だけで話題騒然となっていたものの、ベールを脱いだ新作は、ただの化粧水じゃない、まさに〝リポソームの水〞と呼ぶべき超絶技巧な美容水となった。
そもそもが今、化粧水の段階から本気のアンチエイジングをするような、基本ケアの高機能化も進んでいて、これはその頂点に立つ別格の基本ケアとも言える。それどころか〝肌内キャパシター〞なる、うるおいの容器そのものを大きく強化する劇的な仕組みをも発見。それが1回になんと数兆個もの多重層リポソームで届くのだから凄い。もう化粧水の次元の話ではないのだ。
コスメデコルテ リポソーム トリートメント リキッド
170ml \10000
(284点/ 370 点)
撮影:菊地泰久/vale(人物),伊藤泰寛(商品)
ヘアメイク:中村未幸
文:穴沢玲子、丸岡彩子
構成:鬼木朋子
Edited by 鬼木 朋子
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