センターに立ったこともメインパートをソロで歌った経験もない
――飯田さんといえば、歌も踊りもうまく、バラエティなどもそつなくこなしている印象が。実際に挫折感などはなかったのでしょうか。
飯田
「いやいや、ありますよ! 挫折感だらけだった時期もあります! だって、私、センターに立ったことがないんですから(笑)。それに、メインパートをソロで歌った経験もゼロ!(笑) 今だからこんなふうに笑って話せますけれど、当時は、落ち込みもしました。新曲をリリースするたびに、「センターは誰の手に!」「メインを歌うのは誰だ!?」という企画が立ち上がるのに、私は、それを競うメンバーにすら入れませんでした。センターを決めるスタート地点にも立てないのだから、モーニング娘。の中で自分の存在意義を考えてしまいますよね」
――たしかに、当時のモー娘。といえば、決まったメンバーで熾烈なセンター争いをしていたイメージがあります。やはり、センターへの憧れは大きいものですか?
飯田
「センターは花形ポジションなので特別な存在です。けれど、当時の私がどうしてもセンターになりたかったかといえば、少し違うような気がします。アイドルグループがすごく好きでモーニング娘。になった私は、それぞれの個性にマッチしたポジションがあると理解していました。
でも、周囲の声や見方によって不安になり、自信を喪失したことも。メンバーで並んで、端っこのポジションだったときに、それは全体のバランスを考えた上でのことだと思っていたのですが、「なんで飯田はセンターになれないの?」「カオリンはいつも端で全然テレビに映ってないよね」と、そういう声が繰り返し耳に入ってくると、「あ、私がセンターになれないのは実力がないからなのか」「人気がないからテレビに映れないのか」という思考になってしまって……。メインパートを歌えなかったことも当時の心にズシンッと重く響いていました。歌手になりたくてモーニング娘。に入ったのに歌で目立てず何をやっているのだろうって。どんどん自己嫌悪に陥って、モーニング娘。としての活動が全然楽しくなくなってしまった時期もありましたね」
――国民的アイドルとして日本中に笑顔を届けていたあの頃に、そんな葛藤があったとは……。ネガティブな気持ちを払拭するためにどんなことをしていましたか?
飯田
「不安や自己嫌悪で自分を責めてばかりのときに私を救ってくれたのは、やっぱり絵を描くことですね。絵を描いているときは無になれるので、ネガティブな自分から離れられる感じが心地よく、創作活動に没頭していました。自分にしかできない絵画の個展というお仕事(詳しくは前回の記事をチェック!)をいただけたことは、当時、モーニング娘。内での存在価値に不安を感じていた私にとって大きな救いでもあったと思います。だからこそ、ハードスケジュールの中で睡眠時間を削り、完徹をしてでも絵を描き続けたのかもしれません」
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現役メンバーとの交流は?