山里さん
そうそう。退団公演でのサヨナラショーのことを伺ってもいいですか? あのとき、僕がすごく好きだったのは『You Are My Sunshine』です。タイトルあっていますか?
愛月さん
はい、最後のところですよね。白い衣装で出てきたところ。
山里さん
あの曲を選ばれた理由って、教えていただいてもいいですか?
愛月さん
『You Are My Sunshine』は『Rayー星の光線―』というショーのフィナーレのナンバーだったんです。とても明るい曲だし、その公演のときもフィナーレでこの曲になると一気にお客様が盛り上がってくださって、すごいいい笑顔になってたのがすごく印象に残っていたんですよね。サヨナラショーは結構最初しんみり系から入るので、後半に盛り上がれる曲が何かないかなと思って、先生方と相談してやっぱり『You Are My Sunshine』かなと思ったんです。
山里さん
すごく楽しいんですけど、僕、あの曲で泣いちゃって。すごい泣けるんですよ。あんなに明るくてみんな笑顔なんですけど。なんでかと言うと、本当に組の人たちがみんな愛月さんに対して感謝とかいろんな思いを込めて「あなたが私たちの太陽なんです!」って言っている姿が素晴らしくて……。いろんな役を愛月さんはやってらしたじゃないですか。愛月さんは本当にいろんな男役のスターさんたちを、その方たちの輝きがマックスになるように、ときに陰にときに日向となり最高な動きをしていらっしゃったと思うんです。最後に組子の方がみんなで「いや、あなたこそが太陽でした!」って本当に心から言っている、あの瞬間がめちゃめちゃ尊くて……。
愛月さん
そんなふうに捉えてくださっていたんですね。いま、泣きそうになりました……。
山里さん
それが本当に尊くて。ポジション的に言ったら太陽はもちろんトップスターさんなんですが、その輝きがなんでこんなにキレイで美しいのだろう、こんなに輝いているんだろうと思うと、そこにやっぱりずっと愛月さんがいてくれたから、なんですよね。その愛月さんに向かってあの歌をみんなが歌ってハイタッチしていくあの尊さが……。あの瞬間にオイオイ泣いてしまいました。
愛月さん
深いですね。山里さんはやっぱり、読み解き方が完璧な宝塚ファンです(笑) 言われていないところまで考えて感動するというのが宝塚ファンの極意なんですよね。本当に深いところまで想像してくださるんです。たまにお芝居に関してもファンの方のほうが私より役作りできているなって思いますよ(笑) 私、わりと雑というか感覚人間なのであんまり緻密な計算しないタイプなんですけど、私の役について、その人物の年齢から過去の出来事といった具合にすごく深く考えてくださるファンの方が多いので、そこから勉強することがあったりしました。いただいたファンレターを読んで、「なるほど!」と思うんです。この案はなかったなぁと考えさせられたり。
山里さん
へえええ! そうなんですね。
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山ちゃんの正しすぎる“推し活”