【教えてくれるのは】
池袋西口ふくろう皮膚科クリニック院長 藤本智子先生
医学博士。日本皮膚科学会皮膚科認定 皮膚科専門医。一般皮膚科治療のほか特に発汗異常について多くの治療経験を持ち、重症度に合わせてさまざまな治療法を提案。
気にすれば気にするほどもっと汗が出る
着替えが必要なほどのワキ汗、持った紙がヨレるほどの手汗。これって病気?
「生活に支障をきたすほど大量の汗をかいていたら多汗症の状態です。多汗症の人は精神的な負荷がかかると、発汗を起こす脳の中枢が敏感に反応することがわかっています。そのため、大量の汗を気にすると、もっと汗が出るという悪循環に。悩んでいたら、多汗症の治療を行っている皮膚科に相談してみましょう」(藤本智子先生)
これに当てはまれば保険適用かも!
汗が出ること自体は病気ではないが、大量の汗で深刻に悩んでいたら保険治療になる場合も。まずはチェック。
上のチェックに当てはまったら多汗症の医療的治療を
多汗症を扱う医療機関で行ってくれる主な治療法。扱っていない病院や症状によって保険適用にならない場合もある。
1◆塩化アルミニウム外用
塩化アルミニウムを含んだ塗り薬による治療法。塩化アルミニウムは皮膚の角層と結合することで皮膚の表面にフタを作り、汗腺の穴をふさいで汗を減らしてくれる。
2◆水道水イオントフォレーシス療法
水を入れた専用の機器に弱い電流を流し、15分間ほど手や足などを浸す。電流を流すことで、汗かんこう孔(汗が排出される出口)がつぶれ、その数が少しずつ減少し、汗の量が減る。
3◆プロバンサイン内服
汗腺周囲の末消神経から出るアセチルコリンという発汗を促す物質を抑制する作用がある。即効性があり、服用後1時間ほどで効果が表れ、約5時間持続。内服薬なので全身の汗を抑えることができる。
4◆ボトックス治療
ボツリヌス毒素から抽出した成分から毒性を除去したボトックスを皮下に注射する治療。交感神経から汗腺への刺激伝達をブロックすることで発汗を抑える。保険がきく場合と自由診療の場合がある。
多汗のお悩み用お助けアイテム
クリニックに相談するほどじゃないけど、ときどき気になるワキ汗は制汗剤や下記のグッズで解決。ワキ汗のにおい予防にもなる!
(左から)
■Riff あせワキパット(ブラック) 20枚 ¥520/小林製薬
黒い服の汗じみ対策に。ホワイトやモカベージュも。
■Riff 香るあせワキパット 20枚 ¥520
衣類にパットを貼るだけで汗をしっかり吸収、汗じみを予防。フローラルソープの香り。
(左から)
■汗取り付ラン型インナー ¥1600/グンゼ
夏にウレシイ縫い目がなく、ひんやりした素材。ワキの汗取りパッドが、大量の汗もしっかりサポートしてくれる。
■DEOEST COOL消臭キャミソール(汗取りパッド付き)¥2834/セーレン
セラミックスと金属イオンを特殊技術で固着した繊維が汗のにおいを約30秒で80%以上消臭&吸汗速乾。着ているだけでデオドラントケア。
撮影/恩田亮一 イラスト/腹肉ツヤ子 取材・文・構成/山本美和
Edited by 中田 優子
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