“こういうのが欲しかった”を連発するアイデアの源とは?
今月の匠
かならぼ 代表取締役社長
和田佳奈さん
2016年3月に大人のプチプラコスメブランド「フジコ」を立ち上げる。簡単&便利で可愛くなれるアイテムでビッグヒットを連発する、フジコの生みの親。
愛ちゃん
「フジコ」はどんなふうに生まれたんですか? そもそもブランド名のフジコが気になります!
和田さん
私はもともとコスメオタクじゃないんです。でも、ある日使った新しいコスメで顔がすごく変わって、“私ってまだ、のびしろあったんだ”って発見。そういう楽しさを忙しい女性に思い出してもらえるようなブランドをつくりたいと思ったのがきっかけ。ブランド名は、まずは覚えてもらうために人の名前がいいなって。芸能人じゃなく、クラスで一番イケてる子のイメージを考えて、日本っぽさもあるし呼びやすい「フジコ」に決まりました。
愛ちゃん
そういう発想だったんですね。眉ティントは、結構衝撃でした! 今までにないアイテムだったから。
和田さん
眉ティントは韓国で市場調査していて出合ったアイテム。検索したら、日本には来てなさそうだったし、その場でパッケージの裏に書いてあったメーカーさんに電話。それから約半年で発売に!
愛ちゃん
えー! すごい行動力。最新アイテム、足しパレも斬新ですね。どんな発想で生まれたんですか?
和田さん
アイパレットってあまり使わない捨て色が出ることがあると思うんですけど、どの色も単色で使えれば、4パターンは顔が変わるし、捨て色がなくなると思って。フジコにはシェイクシャドウっていうキラキラアイシャドウがあるんですが、マットシャドウがなかったので、1色で彫りが深くなる4色を集めたパレットに。手持ちのアイシャドウにプラスして使えるから「足しパレ」と名付けました。03は、欲しいキラキラベスト4で構成!
愛ちゃん
なるほど~! パレットに入っている4色で目元を完成させるんじゃなくて、1色で彫り深にしちゃう発想。簡単で手持ちの色も生かせて便利!
愛ちゃん
仕込みアイライナーも面白いですよね。ダブルエンドで片側にまつげの隙間埋め用のドットがついているなんて、思いもしなかった発想。カラーライナーの色もお洒落で、ヌケ感のある目元になれますよね。
和田さん
ありがとうございます! アイラインって描くのが難しいし、私はメイク上手じゃないから面倒くさい気持ちも。ある日、試しに先端が4股に分かれたフジコの「書き足し眉ティント」で描いてみたら、すごく描きやすくて! ラインを引いてないように埋められるのが、今っぽいヌケ感につながるのもいい!と思って、アイライナー用に改良。ドット側を開発したんです。
愛ちゃん
ご自身の体験から生まれてるから、使いやすいんですね。カラーライナーつきなのもうれしい!
和田さん
ドットラインだけだととっつきにくく感じるかなと思ったので、アイライナーに便利なものもついてるという形状に。カラーラインを目尻だけ引くのも流行っていたし、キワをドットでしっかり埋めて、ラインは全体には引かず、目尻だけという設計で考えたので、目尻ラインの描きやすさはとことん追求しました。私自身、目尻は引っかかってうまく描けないという悩みがあったので。
愛ちゃん
先端まで途切れず描けますよね。絶妙な色といえば、ニュアンスラップティントも。ティントリップってなんとなくパキッと色づく鮮やかな色のイメージを持っていたのですが、どの色もくすみ感があってなじむんですよね。
和田さん
ありがとうございます! これはマスクをしてもリップをつけたいという思いから開発したアイテム。第一にマスクにつけたくない。もっと言えば、マスクを外したとき、唇の主張が強くなりすぎるような色は避けたい。でも、リップの印象がなさすぎるのも嫌。そういう欲しい要素を全部欲張ってリップに盛り込むと、どれだけ肌なじみがよく、自然に見えるかっていうのが大切なポイントに。そもそもフジコは“大人が使えるプチプラコスメ”ということも考えて、ティントのイメージのパキッとした色とは違うニュアンスカラーに辿りつきました。機能面でも、塗りやすさはもちろん、落ちるときにムラにならないとか、細かく調整しました。
愛ちゃん
塗りやすいし、お洒落な顔になれますよね。フジコには、いい意味で普通のものがなくて斬新だから、発売のたびに気になります。
和田さん
うれしい! フジコは“キレイになるって楽しい”をブランドコンセプトにしていて、使うたびにときめくような楽しさを見た目や使い方、中身の面白さなど、商品のどこかに入れるって決めています。「フジコじゃないと」って思ってもらえるものを作りたいんですよね。
愛ちゃん
なるほど~! 本当に、どこにもないアイテムばかり! 和田さんは今後、フジコをどんなブランドにしたいですか?
和田さん
ずっと変わらないブランドでいたいですね。フジコらしいコンセプトは変わらずに、フジコっていつも楽しいって思ってもらえるようなワクワク感を維持していきたい。海外も含め、もっとたくさんの人に届くようにしたいという野望もあります。今年は、フジコがいろんな場所に神出鬼没で現れる企画があるので、ぜひお楽しみに。
「和田さんの行動力にびっくり。全方位にアンテナを張りつつ、消費者の目線で欲しいモノを生み出すフジコに、これからも大注目です」
撮影/榊原裕一(人物)、高橋一輝(静物)ヘアメイク/小松胡桃(ROI) スタイリング/西野メンコ 取材・文/小池菜奈子 構成/大木光
Edited by 大木 光
公開日:
この記事に登場したコスメ(3件)