マスク時代の健やか戦略

マスク生活のコツは、自分が心地いい「顔の落しどころ」を見つけること!

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マスク生活のコツは、自分が心地いい「顔の落しどころ」を見つけること!

マスクの長時間着用による不快感や肌荒れに加えて、ネガティブな感情にもなりがち……。マスク生活をポジティブに健やかに過ごすテクとは?

編集長からVOCE読者の皆さんにメッセージ

遠藤友子

VOCE 編集長

遠藤友子

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性別だって自分に一番フィットするものを選べる時代。自分が心地いい“顔の落としどころ”を持つとぐっと生きやすくなると思うのです。

「嫌いなパーツを隠せる」「肌のコンプレックスを隠せる」「無理して表情を作らなくてよくなった」……。これは、「マスクだとむしろ好都合と思うことは?」という問いに対する、VOCE読者のみなさんの声です。感染者数が落ち着く兆しの見えた昨年10月末、マスク生活と美容行動について、読者アンケートを実施しました。一番驚いたのは、前述のような理由でマスクを外したくない人が6割近くもいたこと。この結果は、今年に入って再度行った読者アンケートでも変わりませんでした。のんきにリップの立体企画を組もうとしていた矢先にみた現実。「顔」というパーツは、なんと深く「心」と結びついていることか。

この「マスクを外すことへの抵抗感」、考えてみれば当たり前のことかもしれません。編集部にきた新入社員は、「はじめまして」からマスク顔でした。私自身、マスクをした状態でしかお会いしていない人がたくさんいます。今さら全顔を見せるのは気恥ずかしい。意識してあげていた口角もお留守になっていて、それでも不機嫌がバレないことは確かにラク。ほうれい線が必要以上に強調されてしまうオンラインの画面上で「ホントはもうちょっとマシなんです……」と心の中で言い訳していることもあります。マスク顔、はずした顔、メイクした顔、していない顔。どれが本当の自分なのか、なんだかわかりづらい日々。自分でもマスク顔に慣れてしまって、外した顔に驚くのです。こんなシミあったかな、たるみって進むんだ! このパーツはやっぱり好きになれないな……etc.。

人目に晒されてつくろわなくなったぶん、この2年間は自分の顔の「素の状態」を見つめる時間でもあったのでしょう。大人になってから、ここまで顔が無防備だったことはなかったのでは? 期せずして「ゼロ」の状態に戻れた今こそ、まるで生まれなおすように自分の顔を作っていけるときだと思うのです。そのときに指針となるべきはただ一つ、「自分が居心地のいい顔かどうか」。今は性別だって自分に一番フィットするものを選べる時代。自分が心地いい“顔の落としどころ”を持つと、ぐっと生きやすくなるように思うのです。

たとえば肌。コンプレックスを解消すべくスキンケアに励むもよし、丸ごと受け入れてしまうもよし。ファンデを塗っても塗らなくても、メイクをしてもしなくても、「今の自分の顔」と心がフィットしていれば、それが正解。VOCEは、その“正解”の選択肢を、できるだけたくさんお見せしたいと考えています。なんとなくスキンケアして、流行っているメイクをしていた“BEFOREマスク”の私たちとは違う。一人のとき、人と会うとき、その時々で「自分が心地いい顔」を選べる感性を手に入れていると思うのです。

最後にひとつ。いつかマスクを外せる日が来たとき、「表情をつくるのが疲れるから」と人と会うのを遠ざけないことが大事です。人は、人と関わることで、脳内物質「オキシトシン」が分泌され、幸せを感じることができるそうです。この“幸せホルモン”は、たとえ嫌いな相手であっても(!)目を見て話すと分泌されるのだとか。人との関わりで傷つきもするし、煩わしくもなるけれど、それなしでは幸せにもなれない。VOCEの記事が、読者のみなさんの「新しい顔」との出合いに貢献できることを願っています。

森絵梨佳さん

撮影/菊地泰久(vale./人物) ヘアメイク/吉崎沙世子(io) スタイリング/木下夏実(DRAGON FRUIT) モデル/森絵梨佳 構成/鬼木朋子

Edited by 鬼木 朋子

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