教えてくれたのは…
精神科医
名越康文先生
臨床に携わる一方で、日本テレビの「シューイチ」など、TV番組のコメンテーターとしても活躍。また、完全会員制動画チャンネル「名越康文TV シークレットトーク」も人気。
「自分のどんな感情も受け入れる。それが健やかでいる第一歩」
もう少し先かもしれないし、まもなくかもしれない。まだはっきりとはわからないけど、マスクをはずす日は確実にやってくる。そのことを「うれしい」と思う、逆に「億劫だ」と思う。そのどちらも間違いじゃない。大事なのは自分の感情を責めないことだと思います。実際、マスクで表情の大部分が隠れ、コミュニケーションの難しさを感じる人もいるでしょう。
また、匂い、温度、湿度といった“情報”を感じにくくなることで感覚が鈍ったようなもどかしさを覚える人もいる。以前にも増して閉塞感を感じやすい今、イライラしたり、ふと不安になったなら、朝日を浴びつつ軽く体を動かしてみるのもおすすめ。余裕があるなら散歩を。朝日を浴びることで、セロトニンなどいわゆる“幸せホルモン”と呼ばれる脳内物質が分泌されますし、体を動かすことで自律神経のオン・オフのスイッチもスムーズに切り替えられるようになる。
散歩が難しいならカーテンを開けて朝陽を浴び、熱めのシャワーで背骨をゆっくり温めるだけでも効果がありますよ。ただし、これらも無理にする必要はありません。“やらねば”というストレスになってしまったのでは本末転倒ですから。
撮影/菊地泰久(vale./人物) ヘアメイク/吉崎沙世子(io) スタイリング/木下夏実(DRAGON FRUIT) モデル/森絵梨佳 取材・文/中川知春 構成/鬼木朋子
Edited by 鬼木 朋子
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