教えてくれたのは……
ビューティエディター
平輝乃さん
枯れない肌のカギは花の持つ不老力だった
強くなければ美しさは保てない
真っ赤なボトルが印象的なシャネルのセラムN°1 ドゥ シャネル。最先端のエイジング研究で脚光を浴びる「セネッセンス」現象に着目した新エイジングケアシリーズだ。キー成分となるのはシャネルゆかりの花、カメリア=椿だ。なぜに花の成分?と思うなかれ。ディオールのカプチュール トータルは現地で「永遠の花」と呼ばれるマダガスカルの植物ロンゴザにより、ゲランのオーキデ アンペリアルシリーズは蘭の花の再生力、生命力に着目。花の力を探究し、解明するたびにパワーアップしてきた。
そもそも植物は、外敵や過酷な環境から生きやすい場所へと移動できる動物と違い、その場に留まらざるをえない。それゆえ植物は自らのうちに生き延びる術を持っている。紫外線の降り注ぐ高地に咲く花は紫外線耐性力を、砂漠に生える草や木は驚異的な保湿力を、といった具合に。そんな植物の持つ力を科学的に分析し、その力を最大限に引き出す処方がフローラルサイエンスという今の潮流だ。
カメリアはDNAに老化の遺伝子を持たないといわれている。カメリアの不老力を〈ザ ツァー〉という品種に見出し、花や種子、酵母からエキスやオイル、ウォーターを余すところなく抽出、配合したのがセラムN°1 ドゥ シャネル。老化した一つの細胞がシグナルを出し、周辺の細胞も次々と老化させていく、「セネッセンス」現象の最初の段階を食い止める効果が期待されている。ディオールはカプチュール トータルの革新を支えてきたロンゴザのパワーを高めるために発酵させて幹細胞の研究から肌への吸収率を大幅にアップ。濃厚なローションで美容液レベルの効果を実現した。ゲランのオーキデクリームの新作は、前作の細胞の低酸素状態の救済に加え、肌機能を保たせたまま細胞寿命を延ばす酵素にアプローチ。花がその美しさを保つために秘めている生命力。強さこそ美しさの鍵。タフな環境で生きる肌に今、フローラルサイエンスの力が必要だ。
撮影/高橋一輝(近藤スタジオ)
Edited by 並原 綾
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