即効性と持続性と特別感。高額コスメには一石三鳥の価値が
美容家
小林ひろ美さん
週半ばで顔に疲れが出てしまい、なんとか週末まで乗り切りたいというときに手をのばすのが高額コスメ。高ければいいわけじゃないけれど、何万円もする高級コスメにしかないものは絶対にあって、それは即効性と持続性、特別感だと思うのです。
角質層というわずか0.02mmの部分を、どう充実させるかが化粧品の本分。研究費や開発費をたっぷりかけられ、成分、使用感、あと肌、容器にまで惜しみなく時間と予算をつぎこまれたコスメは充足感が明らかに違います。もちろん、塗ってすぐの肌応えも。年齢という抗えない重しで下がりかけた肌を、ロケットブースターのようにトンと上に後押ししてくれるのが、こうしたコスメたち。
たとえばクレ・ド・ポーのクリームは、すべてにおいて文句なしの優等生。私の肌ってこんなにキレイだったのねと自惚れさせてくれる、どんな状態で使っても100点満点を叩き出せるNo.1クリームです。
ちりめんジワが本格ジワになりそうなとき、くすみが気になり出したときに投入したいのがディオールのセラム。表層のエイジングサインが現れ出した肌に使うと、その実力がわかると思う。
ヘレナのクリームは年末年始や季節の変わり目など、疲れて肌がスカスカになったときに。濃厚で粘り気があって、少しクセのあるテクスチャーなのですが、そこがまたいい。使いこなせればこれほど冬肌の味方になってくれるアイテムもありません。乾燥から肌を守りぬき、密度も高めてくれるので“黒い壺”と呼んで敬愛してます。
こうした高額コスメに30代で手を出すのは早いと思うかもしれないけれど、マイベストの肌を知っておくことも大事です。高いけれどすがりたい“ご祈禱コスメ”は、落ちかけたときにこそ頼るべきロケットブースターなんですから。
撮影/小池紀行 取材・文/穴沢玲子
Edited by 並原 綾
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