教えてくれたのは……
ビューティエディター
入江信子さん
ハイスペ&エコUVの時代到来
環境に配慮しつつ感触と高SPFも死守
「環境に優しい」は、地球人としての使命。そんな考えが広がるにつれ、各ブランドとも、サステナブルな成分や素材を使う、容器をリフィル化するというようにクリーンな方向へ。が、こと高機能系UVに関しては、エコにシフトするのはかなりの難題。というのも、環境に配慮した成分だけで作れば、つけ心地やUV防御力が犠牲になるからだ。ところが今年、「環境に優しい」「つけ心地がいい」「防御力が高い」と三拍子揃った日焼け止めが相次いで登場し、注目を集めている。
カネボウ化粧品のアリィー クロノビューティが打ち出したのは、「ビーチフレンドリー処方」。ハワイなどで使用が禁止されている成分を無配合にし、どこの国のビーチにも持ち込める処方を完成させた。特に抜くのが難しかったのが、透明性とUVBカット効果が高い紫外線吸収剤・オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル〈OMC〉)。入れないとUV防御力はガクンと落ちるが、カバーしようと紫外線散乱剤を多く入れれば、感触は悪くなる。そこでカネボウでは、少ない散乱剤で高いUV防御力をキープする塗膜技術を開発。「感触がよく、UV効果も優秀」を実現したという。
一方、ロート製薬のスキンアクア ネクスタも、吸収剤のオクチノキサートとオキシベンゾン、また一般に感触を高めるために用いられている、揮発性環状シリコーン油やマイクロプラスチックビーズなどを不使用に。オクチノキサートは、ほかの固形の紫外線吸収剤を安定的に溶かす役割も果たしていたので、抜くとなると大変だったそうだが、代わりの溶解する成分を探索。
つけ心地や紫外線防御力を死守した。技術に裏づけられたサステナブル、目が離せない!
撮影/高橋一輝(近藤スタジオ)
Edited by 並原 綾
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