「フェイスラインがぼんやりとしてきた」「あご下がもたつく」「ほうれい線が深い」「顔が間延びして見える」etc.これらは全部、たるみのせい。小顔になりたいという願望に逆行し、老け感をもたらすたるみに本気で打ち勝つべく、今、できることを専門家に総力取材！
≪教えてくれるのは≫
イプサ研究員 加治屋健太朗さん
ホリスティック研究グループ グループマネージャー。農学博士。たるみとリンパ管の関係を紐解き、イプサの新製品開発に関わる。
トータルビューティアドバイザー 水井真理子さん
セラピストとしての経験をベースに肌状態を見てライフスタイルまでを読み取り、リンパや筋肉まで意識したケア提案に定評あり。
【事実１】SNSブームの弊害。話す機会の激減がフェイスラインをもたつかせる
本来たるみは、乾燥やくすみ、シミ、シワの後に現れる老化の最終形。にもかかわらず早くも悩むアラサー女子が多い。
「ＳＮＳの普及によって、直接会ったり電話で話す機会が激減。表情を動かす機会も減り、筋肉が使われず、真皮を支える筋力が低下していることも一因に。スマホ特有のうつむき姿勢が長時間続くことで滞りも悪化、とたるむ条件が勢揃い」（水井さん）
【事実２】リンパ管が脆くなると皮下脂肪が肥大化。結果、どんどん肌はたるむ
「肌の断面図からもわかるように、たるみの原因は表皮の柔軟性の低下、真皮コラーゲンの減少＆劣化などとともに注目すべきが皮下脂肪の肥大化です。たるんだ肌はリンパ管が拡張して脆くなり、老廃物として体外に排出すべく運搬中の脂肪酸が漏れ出るため、肌に脂肪酸が蓄積。この脂肪酸を材料に脂肪細胞が肥大化し、たるみを引き起こすのです」（加治屋さん）
肌のリンパ管は血管とともに真皮にあり、脂肪酸も含め老廃物を回収して運んでいるが、紫外線や加齢などの影響でリンパ管の細胞同士を繋ぐ接着力が弱まると、その部分から脂肪酸が漏れ出す。この脂肪酸を材料に脂肪が合成されて真皮直下の脂肪細胞の中に蓄積し、脂肪の肥大化に繋がる。
【事実３】保湿、運動、食事、むくみ、冷えetc. 一見、無関係なことも原因になりうる
「高脂肪の食事もたるみの原因に。油に含まれる脂肪酸によってリンパ管が脆くなります」（加治屋さん）
美肌＆ダイエット的に良質な脂質はOKと考えがちだが、摂りすぎは思わぬ弊害を生むことに。
「糖質過多の食事も糖化を進めるので×。また、冷えて巡りが悪いと老廃物が蓄積してむくみ、その重さで肌がたわむし、首、肩などのコリが顔の皮膚を引っ張ることも。肌の乾燥も炎症を進め、たるみを助長します」（水井さん）
【解決策１】肌のしぼみ・下がりを感じたら「膨らませケア」でパンとしたハリ感
“なんとなく肌がゆるんでみえる” “体重は変わってないのに痩せたと言われる”などは、まさに初期たるみのサイン！
「肌をソファーにたとえると、中のクッションがへたってボリュームがなくなり、カバーの生地が余ってゆるみ出した状態。このまま放置して40代を迎えるとズルリと下垂する可能性大。中のクッションとなる真皮のコラーゲンを増やし、表面にハリを与えるケアを始めて」（水井さん）
【Ａ】ル リフト クレーム フィン 50ml ￥16000／シャネル
天然由来成分94％のみずみずしい質感。表皮に厚みを出して、真皮成分の合成もサポート。
【Ｂ】レネルジー M FS クリーム 50ml ￥12500／ランコム
コラーゲンを生み出す線維芽細胞を強化し、ハリケアと美白を一度に。
【Ｃ】オバジ ダーマパワーX ステムリフト クリーム 50g ￥10000／ロート製薬
コラーゲンとエラスチンの質を高めて太くし、増量。力強くふっくら。
【解決策２】いよいよ「たるみ」が本格的になってきたら「膨らませ×引き締めケア」で徹底抗戦！
頰骨がくっきり浮き出るぐらいコケてきたのにフェイスラインはムダにボリューミィ。そ んな二重苦に見舞われたらデュアルアプローチ系に頼るべし。「ソファーならゆるみきっ た生地は張り替えができるけど、肌はそうはいかないので引き締め力の強いケアを。中 ワタのコラーゲンを増やし、内からボリュームを出すケアも一緒にぜひ」（水井さん）
【Ａ】クレ・ド・ポー ボーテ セラムラフェルミサンS〈医薬部外品〉 40g ￥30000／資生堂インターナショナル
シルキータッチで弾力を育成し、表面の均一感もケア。
【Ｂ】パーフェクショニスト プロ F+L セラム 50ml ￥15500／エスティ ローダー
瞬間的に引き締め、ジワジワとハリと潤いに満ちた肌へ。
【Ｃ】フォーエバー リブレイター Yセラム N 30ml ￥13500／イヴ・サンローラン・ボーテ
頰はふっくらと導き、毛穴や輪郭は締めてメリハリ顔に。
撮影／向山裕信（vale.／人物）、藤本康介（静物） ヘアメイク／藤本希（cheek one） スタイリング／程野祐子 モデル／吉田沙世 イラスト／AYUMI 取材・文／楢﨑裕美 構成／佐野桐子
Edited by 佐野 桐子
公開日：
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