バランスよく食べないとお疲れボディに
この忙しい毎日を生きる女性たち! マッサージに睡眠、アロマに入浴、みんなさまざまな工夫をこらしながら、日々の疲れをリセットしていると思います。そこで今回は、食べて疲れをリセットする方法を管理栄養士の金丸絵里加先生に教えていただきました!
「いちばん大切なのは、普段から5大栄養素を意識して食事をすること。5大栄養素とは、体に欠かすことのできない3大栄養素と、その3大栄養素をサポートする重要な役割を持つ微量栄養素。これら体に必要な栄養素が不足すると、人はだるさや疲れを感じるようになるんですね。だから極度の糖質オフダイエットなどは体を疲れさせてしまうんですよ」(以下、「」金丸先生)
<3大栄養素>
1. 炭水化物(米、パン、パスタ、うどん、そば、じゃがいもなど)
2. たんぱく質(肉、魚、牛乳・乳製品、卵、大豆など)
3. 脂質(肉、魚、牛乳・乳製品、植物油、ラード、卵、バターなど)
微量栄養素
4. ミネラル(鉄分、カルシウム、カリウム、亜鉛など)
5. ビタミン(ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンDなど)
とはいえ私も含め、大抵の人が5大栄養素をバランス良く含んだ食事など毎食取れるわけがありません!
疲れが取れる食材一覧表
「そうですよね(笑)。この5大栄養素を満たす食事内容を朝昼晩、しっかり食べてくださいと言っても無理だと思います。そこで疲れたときにいつもより意識して食べてほしい食材をリストにしてみました」
<疲労回復につながる食材リスト>
・アミノ酸を含む食材(鶏むね肉、鶏ささみ、豚や牛の赤肉、白身魚、青魚、大豆製品など)
・タウリンを含む食材(たこ、いか、魚介類など)
・アスパラギン酸を含む食材(アスパラガス、大豆もやし、枝豆、納豆、油揚げ、サケ、鯖、牛肉、豚肉、鶏肉など)
・ビタミンB1を含む食材(豚肉、ハム、魚卵、うなぎ、枝豆など)
・ビタミンB2を含む食材(レバー、うなぎ、うずらの卵、納豆、魚卵、鶏卵、乳製品など)
・鉄分を含む食材(レバー、パセリ、卵黄、しじみ、あさり、つまみ菜、納豆、小松菜など)
・クエン酸を含む食材(レモン、酢、梅干し、かんきつ類など)
「アミノ酸やタウリン、アスパラギン酸などは栄養ドリンクにも使われている成分なので、なんとなく『あぁ、疲労を回復する成分なのね』というのがわかると思います。ではビタミンB群と鉄分はどうなのかと言いますと、ビタミンB1は糖質からエネルギーを作り出し、ビタミンB2は脂質をエネルギーに代える働きがあります。これらビタミンB群は不足するとエネルギー代謝が滞り、疲労の原因になります。そして鉄分は体内に酸素を運ぶため、必要な栄養素を各臓器に運ぶ役割もあるため、倦怠感の改善に役立ちます。だからちょっと今日は疲れたな、と言う日は、上の食材表を少し意識しながら食べるものを選んでみてください。
でも何事もバランスが大切! 疲れやすいからと言って、毎日毎日たこや豚肉を食べていれば疲れにくくなるというわけではありません! 野菜もとり、いろいろな食材を組み合わせてとることで、栄養のバランスが調うんです。
そして今、疲労回復効果が高い成分として注目されているのが『イミダゾールジペプチド』という成分。疲労を予防するだけでなく、回復力を高める効果があると考えられているんです。このイミダゾールジペプチドを含むのが、鶏むね肉。上記にもあるように鶏むね肉は疲労回復効果のあるアミノ酸も含んでいます。鶏むね肉は蒸し鶏や鶏ハムなどで保存調理もしやすい食材なので、週末に多めにつくりおきしておいた蒸し鶏を、和え物やスープの具、サンドイッチにと食事にこまめに取り入れるのがおすすめです。」
おかずになる疲労回復レシピをご紹介
ここで、疲労回復につながる食材、鶏むね肉といかを使ってレシピをご紹介!
鶏むね肉のタンドリー炒め
■材料(2人分)
鶏胸肉(皮なし)……1枚(200g)
おくら……1袋
オリーブ油……大さじ1/2
<タンドリーソース>
プレーンヨーグルト……大さじ3
ケチャップ……大さじ1
カレー粉……小さじ2
おろしにんにく……小さじ1
塩……小さじ1/2
①鶏肉はひと口大のそぎ切りにする。
②ポリ袋にタンドリーソースの材料を入れてよく混ぜ合わせ、そこに①を入れよくもみこみ、1時間以上漬ける。※一晩漬けてもOK。
③おくらはガクを取り、斜め半分に切る。
④フライパンにオリーブ油を中火で熱し、②を入れ、両面焼く。③を加え、②の残ったソースを加えてまぜ、汁けがなくなるまで炒め合わせる。
イカ「イカのトマトじゃがバタ煮」
■材料(2~3人分)
するめいか……1ぱい
じゃがいも……2個
アスパラガス……4~5本
バター……20g
<A>
水……1/4カップ
みそ・みりん……大さじ1
しょうゆ……小さじ2
①じゃがいもはよく洗い、皮付きのまま1個ずつラップに包み、電子レンジで4分加熱する。温かいうちに皮をむいて食べやすい大きさに切る。アスパラガスは下半分をピーラーでむき、4等分に切る。
②いかはワタを取り、胴と足に分ける。胴は1cm幅の輪切り、足は食べやすい大きさに切る。
③深めのフライパンにバターを中火で溶かし、じゃがいもを入れて炒める。Aを加え混ぜたら②を入れてふたをし、5分煮る。ふたを取ってアスパラガスを加え混ぜ、汁気がなくなるまで炒め煮にする。※今、スーパーでいかの下処理をしてくれるところもあります。料理が苦手な人はそういうサービスを利用してくださいね。
教えてくれたのは……
料理研究家・管理栄養士
金丸絵里加先生
食を通じて健康になることをモットーに、ヘルシーな家ごはんやおつまみのレシピを提案。監修書籍は50冊以上にのぼる。TV、雑誌、企業や施設へレシピ提供や栄養指導でも活躍する、ヘルシーごはんのエキスパート。自身も“夜低糖質ごはん”を実践し、現在18カ月。6㎏の減量に成功。著書に「女子のやせ定食」(光文社)や「糖質オフで大満足!やせるスープ」(エイ出版社)など多数。
Edited by 中田 ぷう
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